大切なフルーツトマト、手間がかかっても一鉢ずつ管理しています

手間がかかっても一鉢ずつ

これは春先のトマトを植えるポット(ビニールの植木鉢)に土をつめて準備しているところです。通称ポッターという道具を使っておおまかに土を入れた後、ひとつひとつ丁寧に固すぎず柔らかすぎずの圧をかけて押していきます。

これがのんびりムードの何気ない作業に見えるのですが実は大きな企業秘密が隠されています(!)どのくらいの圧力をかけるかは結構重要で、その土の密度によって根の張り加減も変わってくるし、保水性(水やりをした水分がどのくらいもつのか)も変わってくるからです。

一度田舎暮らし体験をしたいという方々にこの作業を手伝っていただいたことがありました。一生懸命やってくださったのですが、もう本当に人によって土密度がバラバラになってしまって、のちの育苗(大きなハウスの地面にトマトを植えるまでの間、ポットで苗を育てること)期間中の水やりに大変苦労しました。

というのも、うちのトマトたちは本当にギリギリの水分しかやらないで育てているので、一度水をやったら当分長持ちしてしまう鉢と、すぐに乾いてしまう鉢があるととても困るのです。

それでなくても天候や生育ステージによって必要な水分量は違うし、苗の置いてある場所(通路側か、中程か、あるいは暖房から遠いとか…)によって消耗度合いが違うので、それぞれにあわせて一鉢ずつ水やりをしているというのに、鉢の保水予測がバラバラではもうお手上げです。

ごうのすけさんとわたし、ふたりでやるとほとんどピタリと同じ数になります。それがピタリと揃うまで3〜4年はかかったような気がします。今は手が覚えているんですね〜。今はその保水力のイメージの上に水やり計画を立てています。固いのがいいとか柔らかいのがいいとかそういうことではなくて、いつも一定というのがきっと大切なんだと思います。

そしてそのいつも一定の鉢に微調整を加えながら一鉢ずつ水をやっていきます。「上からシャワーでやっても何も問題もないよ?」という農家さんがほとんどだけど、わたしは手間がかかっても、時間がかかっても、どうしても一鉢ずつ水をやりたいんです!その理由は、できるだけ少ない水でかつ、生育するのに必要な量は確保して育てたいから。

「だいたいでやっても、そんなにかわらないと思うけどなぁ」といくら言われても、一鉢ずつやるんです。そういうほんのすこーーーしの積み重ねがのちに大きな違いになると信じているので (^^)